生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

チェリビダッケ批評 18 ブラームス 交響曲第1番 ハ短調


ブラームス:交響曲第1番、「ドイツ・レクイエム」/Brahms: German Requiem Symphony no.1ブラームス:交響曲第1番、「ドイツ・レクイエム」/Brahms: German Requiem Symphony no.1
(2007/01/01)
ブラームス、 他

商品詳細を見る


EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。
これは第18回目のレビューになります。

第18回目の曲目は、


"ブラームス 交響曲第1番 ハ短調"(1987年録音)
原題: Brahms Symphony No.1 in c-moll


―曲について―
ブラームスは4つの交響曲を残しています。
交響曲としてのクオリティは、
第4番→第3番→第2番→第1番
というように後の交響曲の方が優れているように感じます。

しかし交響曲第1番は、
ハンス・フォン・ビューローに「ベートーヴェンの交響曲第10番」と評されたり、
暗から明への移行が非常にわかり易く構成されているので、演奏頻度は比較的高いです。

非常に厳しく推敲が重ねられ、着想から完成までに21年という歳月を要しています。

世評に反するようですが、私はこの曲を余り評価していません。
それはこの曲が模範的なものを志向するあまり、
曲の展開が、まじめにすぎると考えているからです。
デモーニッシュ(悪魔性)さを欠いているということもあります。
信念の吐露として芸術作品を考えた場合、
この曲ははっきり言って失格です。
オーケストレーションも貧相なものです。

この曲の演奏に関して述べると、
チェリビダッケの演奏は作品に対する共感があまり感じられません。
残念ながら、説得力のある演奏とは言いがたいものがあります。

チェリビダッケのブラームスの交響曲第2番の演奏は非常に刺激に満ちた演奏であることを考えると、
やはりこの曲は出来が良いとは言えません。


―演奏について―

第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro
ハ短調、序奏付きのソナタ形式、6/8拍子(9/8拍子)


威厳に満ちた冒頭部と評されることもありますが、
私にはリズムが余りにも愚鈍にすぎるように聴こえます。
曲の展開も必然性を感じさせないものであり、
聴いていて退屈だと感じざるを得ません。


第2楽章 Andante sostenuto
ホ長調、複合三部形式、3/4拍子


とても単調な音楽です。
私にはこの単調さは耐え難いものがあります。


第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
変イ長調、複合三部形式、2/4拍子


この楽章に関して言えば、純粋に音楽の美しさを堪能することができます。
弦楽器の澄みきった響きには感嘆させられます。


第4楽章
Adagio - Piu andante -Allegro non troppo, ma con brio -Piu allegro
ハ短調→ハ長調、序奏付きのソナタ形式(ただし展開部を欠く)4/4拍子


非常な問題点を持つ楽章です。
暗から明への移行というのは、
なぜそうなるのかという理由、必然性がなければ、
とても空虚な音楽になります。
この楽章はその典型的なパターンです。


―全体についての所感―
セルジュ・チェリビダッケという演奏家は自身の音楽観に対して非常に忠実な音楽家です。
そのためか、演奏される曲は、その良さや悪さが非常に明確に現れます。
特徴が非常にわかり易く提示されます。
そういう人の演奏ということもあるのでしょうが、
ほかの演奏家では聞き流せるところも、曲を穿り返すあまり、聞き逃せません。
この演奏ではブラームスの交響曲第1番の悪い面がたぶんに強調されているようにも感じます。
そういう意味ではこの曲に対する認識を改めさせてくれる、
非常に示唆に富んだ演奏だということができます。

この曲は随所に光るオーケストラの響きの美しさを堪能すべき曲であり、
曲自体が持つイデーを考えるためのものではありません。

非常に辛辣な批評になってしまいましたが、
これが私の正直な印象です。







FC2ノウハウ
スポンサーサイト

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2011/03/22(火) 20:26:52|
  2. チェリビダッケ批評
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

チェリビダッケ批評 17 ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調

チェリビダッケ批評 17 ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調
Beethoven Symphonies Nos. 4  5

ベートーヴェン:交響曲第4&5番
(2001/04/18)
チェリビダッケ(セルジュ)

商品詳細を見る


EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。
これは第17回目のレビューになります。

第17回目の曲目は、


"ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調"(1995年録音)
原題: Beethoven Symphony No.4 in B-Dur

ベートーヴェンの交響曲の中でも非常に存在感のある、
交響曲第3番「英雄」と交響曲第5番に挟まれた、
比較的目立たない作品です。
シューマンは「2人の北欧神話の巨人(3番と5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」
と例えたと伝えられています。

しかし、曲の内容は?
英雄や運命に勝るとも劣らない、
非常に堂々としたものです。

―演奏について―

第1楽章 Adagio 変ロ長調(実質は変ロ短調)4/4拍子
Allegro vivace 変ロ長調 2/2拍子 ソナタ形式


暗い雰囲気の緩やかなテンポの序奏部でこの曲は開始されます。
一般的には主部に入ると、テンポを上げるのですが、
(暗くて遅い序奏部と明るくて快活な主部とのコントラストをつけるため。)
チェリビダッケはこのゆったりしたテンポを維持します。
しかし、音楽は停滞した印象を与えません。
それはなぜか?
音楽の各声部に意味を与え、全て歌いきるためです。

晩年のチェリビダッケは、
物理的な時間軸で測ると、
確かに遅い音楽を演奏しています。

しかし、決して遅い音楽ではないのです。
それは前述した理由によります。

これにより、通常の時間軸を超越した演奏になり、
音楽は神秘的な色合いを強く帯びます。
(ときに神がかっている印象さえ持ちます。)

これは、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルだけが達成しえた独自の境地です。



第2楽章
Adagio 変ホ長調 3/4拍子 ソナタ形式

第一楽章、Allegroでは、
物理的な時間軸で測ると遅い音楽を奏でていますが、
第二楽章、Adagioの演奏時間は極端に遅いというものではありません。
なぜ、このようなテンポ設定になるのか?
この意味を理解しなければ、
チェリビダッケの音楽の本質は決して理解出来ません。
(断定的な言い方で申し訳ありません。
ただ私はそう確信しています。)


第3楽章
Allegro vivace、トリオ(中間部)はUn poco meno Allegro
変ロ長調 3/4拍子 複合三部形式 スケルツォ楽章


この楽章での白眉は、
トリオ(中間部)に入るところです。
穏やかな印象を与える音楽から転調し短調の音楽になります。
この部分の儚さ、幻想性は猛烈に美しいとしか言い様がありません。
なにか、絶対に手の届かないところへ、
懸命に手をのばしているような印象を受けます。


第4楽章
Allegro ma non troppo 変ロ長調 2/4拍子 ソナタ形式


非常に快活な音楽です。
これが齢83歳の音楽でしょうか?

チェリビダッケは音楽全体を見渡し、
曲が終わったときに、全ての意味が明らかになるという驚異的な音楽を目標としていました。
ここで、その理想は達成されています。

普通、ベートーヴェンの交響曲第4番という比較的小規模な音楽で人は感動するでしょうか?
おそらくしないでしょう。
しかし、これだけ凄い演奏を聴かされると、感動させられます、胸をうたれます。

これは、人間の意志の偉大さ、音楽の持つ力、それを十分に思い知らせてくれるような演奏です。







FC2ノウハウ

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2011/03/21(月) 21:35:43|
  2. チェリビダッケ批評
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

チェリビダッケ批評 01 ハイドン 交響曲第103番「太鼓連打」

ハイドン:交響曲第103&104番/Haydn: Symphonies Nos. 103&104ハイドン:交響曲第103&104番/Haydn: Symphonies Nos. 103&104
(2007/01/01)
ハイドン、 他

商品詳細を見る


EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。

これは第1回目のレビューになります。
(第76回までを予定しています。)


第1回目の曲目は、
” ハイドン 交響曲第103番「太鼓連打」 変ホ長調” (1993年録音)

チェリビダッケがこのような古典派(ハイドン、モーツァルト、初期のベートーヴェン)の
作品の演奏を行う際には、ある種の違和感、距離感があります。

チェリビダッケは非常に細部にこだわり、かつデモーニッシュな音楽家でしたから、
このようなかたちの演奏になったのでしょう。


第1楽章
1.Adagio - Allegro con spirito

非常にどっしりとした、力強い演奏です。
最初のティンパニの長い連打だけを聴いただけでも、
とても「安心感」に満ちている音楽であることが確信できます。

第2楽章
2.Andante più tosto allegretto

ゆったりと、落ち着いた演奏です。
楽章の途中にヴァイオリンの独奏的な箇所がありますが、ヴァイオリン奏者は非常に楽しみながら、
演奏を行っているのではないか、という印象を持ちます。

第3楽章
3.Menuetto - Trio - Menuetto

とても落ち着いた音楽です。
しかし、転調の際の景色の移り変わりようは一体なんなんでしょう?
本当に雰囲気がガラッと変わります。驚異的です。
(チェリビダッケは転調の名手でした。)


第4楽章
4.Finale. Allegro con spirito

ゆっくりしたアレグロです。
少なくとも 「”Allegro con spirito” 快活に速く」だとは決して感じないでしょう。
速度を的確に落としことで、細部の正確さを増すことは出来ます。
しかし、アレグロによる推進感は失われてしまいます。
しかし、この演奏の場合は、
速度を落とした方のメリットだけが、感じられます。


<全体を通じての感想>

全体を通して、穏やかで、力強い。
(「穏やかであること」と「力強くあること」、この2つは矛盾しません。
この演奏の場合、両者の親和性さえ感じます。)

おそらく、チェリビダッケはこの曲の指揮を行っているとき、
微笑んでいたのかもしれません。
そんな印象を抱かせてくれる「やさしい」音楽でした。

次は、ハイドン 交響曲第104番「ロンドン」の演奏を取り上げるつもりです。





今日は大御所、ショルティをはじめて取り上げます。こちらはだいぶ前にボックスで買いましたが、6枚の単独のアルバムをボックスに入れただけの、所謂なんちゃってボックス。102番と103番を収めたこのアルバムを今手に入れようとすると下記のセットになりますでしょうか。http://www.hmv.co.jp/product/detail/1874294こちらがザロモンセットを4枚にまとめたボックスセットの現行盤。今日取り上げるのは手元�
ショルティ/ロンドンフィルによる102番、103番「太鼓連打」

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2010/12/09(木) 23:10:41|
  2. チェリビダッケ批評
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

ヒロチェリ

Author:ヒロチェリ
FC2ブログへようこそ!
クラシック音楽を中心に、色々と書いています。

カテゴリ

クラシック音楽 (52)
チェリビダッケ批評 (25)
セルジュ・チェリビダッケ (12)
J.S.バッハ (4)
ベートーヴェン:交響曲 (0)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ (0)
ブルックナー:交響曲 (1)
マーラー:交響曲 (3)
クラシック音楽について (4)
Jazz/Progre/Rock等 (14)
Dream Theater (7)
日々の生活 (14)
お気に入りの歌詞 (3)
書籍 (4)
真理 (2)
映画 (4)
アメリカン・ニューシネマ (2)
IT(Information technology) (3)
21世紀の精神異常者 (4)
お薬をどうぞ (2)
Twitter (44)
未分類 (3)
絵画&写真 (0)
Studio album (0)
Sergiu Celibidache (2)
プログレ (0)

最近の記事+コメント

FC2カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
音楽
670位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
クラシック
56位
アクセスランキングを見る>>

全記事(数)表示

全タイトルを表示

ブロとも一覧


クマでもわかる物理学最新トピックス

〜TOMOHISA SUZUMURA’S CRITICAL SPACE/鈴村智久の批評空間〜

厳選!ダンス動画

【三日坊主日記】改め・・・『考え中』

Ragdollの主題による変奏曲

知好楽@瀬戸田

Violino~クラシックのある生活~

四季歩のつれづれ

カレンダー(月別)

10 ≪│2017/11│≫ 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月別アーカイブ

最新トラックバック

音楽 ハイドン チェリビダッケ ヘロイン 映画

HDD 外付け ハイドン Haydn Bruckner Tchaikovsky Celibidache ブルックナー チェリビダッケ Record ルーマニア Sergiu ランボー ブレイク 翻訳 ドストエフスキー 堀口大學 小林秀雄 google  アメリカン・ニューシネマ スタンリー・キューブリック サム・ペキンパー シルヴィ・ギエム Sylvie Guillem エベレスト 世界一  チョモランマ Everest ネパール チベット Gould Bach Glenn グールド グレン・グールド バッハ ヱビス 黒ラベル チェコ プレミアム・モルツ エーデルピルス ビール サッポロ ピルスナー・ウルケル ベルティーニ マーラー ギーレン テンシュテット SonicStage オーディオプレイヤー iTune foobar2000 AudioGate ライブラリ 音質 イコライザ AIMP2 Web Browser Opera Iron ブラウザ ウェブブラウザ 仏教 Mahler Schubert シオラン アフォリズム Beethoven 交響曲 ムラヴィンスキー レニングラード・フィルハーモニー チャイコフスキー Dream ドリーム・シアター プログレ Theater ピアノ協奏曲 Blog ブログ ブクレコ Facebook ピアノ・ソナタ ベートーヴェン ミュンヘン・フィル トラックバックテーマ 掲示板 Amazon ムソルグスキー ラヴェル 光の帝国 マグリット Zeppelin レッド・ツェッペリン Led ジミー・ペイジ Radiohead ハルシオン ロヒプノール ベゲタミン パキシル トランキライザー デパス カート・コバーン 睡眠薬 ティモシー・リアリー キリスト 人体実験 ゲーテ 善悪の彼岸 白取春彦 ニーチェの言葉 超訳 道徳の系譜 ニーチェ ツァラストラ バレエ ベジャール シカゴ交響楽団 天才 文化会館 バレンボイム ギエム ボレロ バロウズ ヘロイン Heroin シュルレアリスム 上野 ベルギー アート 絵画 ブーレーズ 現代音楽 フーガ バロック ゲーベル フーガの技法 レオンハルト エマール クラシック音楽 管弦楽曲 EMI オーケストラ ロメオとジュリエット ソナタ形式 くるみ割り人形 Nutcracker 組曲 花のワルツ ニュルンベルクのマイスタージンガー 喜劇 悲劇 指輪 前奏曲 序曲 ワーグナー トリスタンとイゾルテ 白痴 悪霊 未成年 罪と罰 文学 ロシア カラマーゾフの兄弟 楽章 オーケストレーション ハ短調 クラシック ブラームス 地震 被災者 原発 津波 計画停電 東北関東大震災 東日本大震災 東電 福島 東京電力 クラリネット スケルツォ 根本敬 ザ・ワールド・イズ・マイン 新井英樹 田園 ロマン派 キース・ジャレット ヴァント シューベルト リヒテル ベルリオーズ スメタナ マイルス ビバップ エヴァンス ジャズ 大地の歌 ミュンヘン メンデルスゾーン シューマン モーツァルト 時間 偉大 奇跡 カタルシス 永遠 ソナタ バーンスタイン 悲愴 フランス 音楽 芸術 呪われた部分 メタル トッティ 長調 ピアニッシモ フォルテッシモ モダン・オーケストラ ピリオド・オーケストラ アレグロ マイルス・デイビス ピアノ ロック EMI 救済 スピード 覚醒剤 スレイヤー スラッシュ レイン・イン・ブラッド メガデス ヘビー・メタル アンスラックス メタリカ HR/HM フルート München 北ドイツ 真夜中のカーボーイ 

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSリンクの表示

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。