生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

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チェリビダッケ批評 05 シューマン交響曲第3番「ライン」

シューマン:交響曲第3番「ライン」&第4番シューマン:交響曲第3番「ライン」&第4番
(1997/11/27)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

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EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。
これは第5回目のレビューになります。

第5回目の曲目は、
”シューマン交響曲第3番「ライン」 変ホ長調” (1993年録音)

この曲は、5楽章形式をとっています。通常の交響曲は4楽章です。
また、「ラインという標題」にはあまり、意味が込められていないようです。
(ましてや、標題音楽ではありません。)

いや~、しかしハイドン、モーツァルトを聴いた後にシューマンの音楽を聴くと、
改めて、全然異なるものだなと、痛感させられました。


シューマンの交響曲(好きな順位)
No.1 「交響曲第2番」(暗から明に、その過程が素晴らしい。典型的なロマン派の交響曲です。)
No.2 「交響曲第4番」(2番をより、成熟させた感じ。素晴らしいが。狂気が欠けているきがする。)
No.3 「交響曲第3番」(シューマンの曲の中でも、ひときわ明るい。しかし、完成度は?)
No.4 「交響曲第1番」(まぁまぁ良い)

私はシューマンの交響曲では、交響曲第2番が最高傑作だと思っています。
(ちなみに指揮者のレナード・バーンスタインもこの曲大好きだったようで、
この交響曲を頻繁にコンサートで取り上げていました。)

シューマンはあまり、オーケストレーションが上手な作曲家ではないので、
ある意味、それをどのようにチェリビダッケが演奏するのか、興味が尽きません。
(作曲家のマーラーは
「シューマンのオーケストレーションは聴くに堪えない」
と述べ、自身で編曲を行っています!)


第1楽章 
生き生きと(Lebhaft)
変ホ長調。3/4拍子。


活気があり、また色彩感覚が非常に強い。
(ちなみに、N響アワーのテーマ音楽です。)
第1楽章冒頭から登場する明るく、精一杯な、
第1主題はこの曲全体がどのようなものであるのか、
暗に示しているようにも感じられる。

第2楽章
スケルツォ きわめて中庸に(Sehr mäßig)
ハ長調。3/4拍子。


フォルテッシモ(トッティ)で全ての楽器の音が聴こえる、という離れ業も披露しています。
(透明感が凄まじい!)
陶酔的な美しさです。

決して標題音楽ではありませんが、
なんとなく田舎(ライン地方)はこういう感じなのかなと、夢想してしまいます。

第3楽章 
速くなく(Nicht schnell)
変イ長調。4/4拍子。


この楽章はこの交響曲の間奏曲のような位置付けになっています。
木管楽器のセクションが限りなく美しい。
半音で上にのぼっていくようなモティーフが繰り返し現れます。
(こういうさりげない箇所がチェリビダッケの凄いところで、
 他の演奏を聴いても気付かなかったことを、
 はっきりと示してくれます。音楽的な必然性において。)

第4楽章 
荘厳に(Feierlich)
変ホ長調だが、実際の響きは変ホ短調。4/4拍子。


ホルンやトロンボーンが活躍し、大変荘厳な印象を残します。
(ボンクラ指揮者がこの楽章を演奏すると、金管楽器がむやみやたらに強調されるのですが、
チェリビダッケでは、非常に適切なバランス(ほぼ、完璧)で演奏されています。)
ただ、やはりシューマンのオーケストレーションに、やや難があり、
冒頭のホルンとトロンボーンによるコラールはかなり苦しそうです。

第5楽章 
フィナーレ 生き生きと(Lebhaft)
変ホ長調。2/2拍子。


前楽章から一変して、祝祭的な雰囲気を醸し出す。
全体的に、明るい開放的な気分を持っている。
金管楽器が適切に使用され、効果を最大限に発揮している。
(再三繰り返しますが、これはチェリビダッケの力によるところも大きい。
雑な演奏だと、トッティで汚い音響をまき散らすことが多い。)

ロマン派的なユートピア願望を精一杯謳い上げ、この曲は終わります。

<全体を通じての感想>
やはり、チェリビダッケはロマン派の音楽を演奏すると時が、一番輝いていますね。
それは、チェリビダッケという人物が、二元論の思想を根底に持ち、
かつ強烈なユートピア願望を懐いていたためでしょう。
(もとろん、他の要素もあると思いますが。)
この曲はシューマンが「古典派」を過去のものとし「ロマン派」を確立するという思いが伝わってくるようです。
シューマンの特徴の一つでもある、内に秘めた狂気は、あまり感じられない曲です。
演奏も、曲想に合わせて、適切な表現を行っています。


次回は、シューマン 交響曲第4番の演奏を取り上げます。





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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2010/12/11(土) 07:16:29|
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