生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

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チェリビダッケ批評 06 シューマン交響曲第4番

シューマン:交響曲第3番「ライン」&第4番シューマン:交響曲第3番「ライン」&第4番
(1997/11/27)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

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EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。
これは第6回目のレビューになります。

第6回目の曲目は、
”シューマン交響曲第4番 ニ短調” (1986年録音)

シューマンの最後の交響曲です。
この曲は、シューマンの個性が、
音楽的な要求と合致して、素晴らしい曲になっています。

(シューマンの個性:分裂症的なところ。)

この曲を聴くと、不思議とマーラーを思い起こします。
チェリビダッケはシューマンは演奏しましたが、
マーラーの演奏は皆無に等しいです。


おそらくそれは、シューマンが病的な音楽を作曲しても、
それは全体的な形式(古典的な美学)の範疇に留まっていました。
しかし、マーラーの場合、音楽に対する過剰な表現意欲からから、
形式を逸脱してしまわざるを得なかったのです。


ここにシューマンとマーラーの決定的な違いがあります。
この問題については後々、述べることになると思います。
ロマン派の音楽のなかで、最も根源的な問題の一つです。


演奏について述べます。

第1楽章
1.かなり緩やかに (Ziemlich langsam) - 生き生きと (Lebhaft)


穏やかな序奏からこの曲は開始します。
(和音が遷移する際の、景色の変化!
これは、チェリビダッケとミュンヘン・フィルでしか為し得ない領域に達しています。)
これはレクイエムか?と錯覚させるような深刻な音楽になっています。


その後、第1主題は半音階的に上下し病的な、展開を見せる。
序奏との対比、ここがシューマンの病的なところです。
(これがシューマンの真骨頂だと、私は考えます。)

曲の終結部では、本気なのか?冗談なのか?
あるいは、音楽を信じているのか?音楽を信じていないのか?

盛り上がる終結部ですが、非常にデモーニッシュです。

第2楽章
2.ロマンツェ かなり緩やかに (Ziemlich langsam)


この曲の中で。、一時の安らぎを与えてくれます。
しかし、同時にどこまで行っても、手に入れることが出いないという儚さ、諦念に満ちています。

チェリビダッケの演奏では、非常に端正なオーボエの歌が聴こえます。
また、ソロ・ヴァイオリンの適切なフレージングには、うっとりしてしまいます。

第3楽章
3.スケルツォ 生き生きと (Lebhaft)


緊張感のある音楽です。
この楽章は、切れ目なく、次の楽章へ進みます。

この楽章は、通常早めのテンポで演奏されます。
そこからは、躍動感(物理的な快感)が生まれるからでしょう。

しかし、チェリビダッケは違います、全く異なる
「全ての音に意味が込められている。」
という彼の信条を貫きとおしています。
そのため、テンポは決して早くありません。

第4楽章
4. フィナーレ 緩やかに (Langsam) - 生き生きと (Lebhaft)


これまでの音が全て意味のあるものだったのだと、痛感させられます。
それにしても、なんていう壮大さ。なんていう威厳に満ちた音楽なんでしょう。


例えば、フォルテッシモの部分を聴いて下さい。
儚いほどに透明で、ただただ巨大で、畏敬の念を覚えます。

そしてこの曲はクライマックスを迎えます。
作曲家が、演奏者が、聴き手が、この音楽を信じていることを、痛感させられます。

<全体を通じての感想>

これは、ただ聴くべきものであり、
その体験は分かる人には分かるし、
分からない人には決して分からない。
そういう類のものです。


芸術(特に西洋の芸術)には、残念ながら?、そのような一面があります。

この音楽には、人の運命を誤らせてしまう可能性が多分に含まれています。
ジョルジュ・バタイユという思想家がこのようなことを述べています。
「芸術とは、呪われた部分である。」
間違いなく、チェリビダッケの音楽は「呪われた領域に」入っています。


次回は、シューマンの交響曲第2番を取り上げます。
(ちょっと、順番が前後しましたね、申し訳ありません。)





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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2010/12/12(日) 03:45:58|
  2. チェリビダッケ批評
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