生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

キース・ジャレットについて(ピアノ・ソロ)

音楽家(ジャズ・ピアニスト)、
キース・ジャレットについて、有名なピアノ・ソロの音源を整理します。
(簡略ですが、レヴューも行いました。)


Keith Jarrett

彼のピアノ・ソロで有名な作品は、10作品ほどあります。

1. Facing You/ フェイシング・ユー(1971)
キースの記念すべき最初のピアノ・ソロ・アルバムです。
こののアルバムには、
ジャズ以外のゴスペル、ブルース、クラシックなどさまざまな音楽要素が混在していることと、
おそらくは事前の準備なしのまったくの即興演奏であることから、
聴き手にとって音楽の進む方向の予測がつきにくい点が、
多少、とっつきにくいものにしているのかもしれません。
しかし、ここで聴かれるロマンティシズムは、
まさにこのあと続くソロ・アルバムと共通のもので、
特にこのアルバムの白眉と言うべき「リトゥーリア」は、
感情移入が凄まじく、
彼のソロ演奏の中でも屈指のものだと思います。


Facing You: Touchstones Series (Dig)Facing You: Touchstones Series (Dig)
(2008/08/26)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



2. Solo Concerts/ ソロ・コンサート(1973)
続いてのソロ・アルバムは、
そのスケールの点から前例のないものであり、
またこの音楽がジャズなのか否かという議論とともに、当時大きな話題となりました。
これはジャズというジャンルには収まりきれない、
キース・ミュージックとしか言えない音楽であり、
このローザンヌ、ブルーメンでの演奏が、
その頂点を記録しているのではないかと思います。
ブレーメンとローザンヌではそれぞれ演奏の傾向が微妙に異なっています。
そのどちらとも、神秘性に満ち、感動的な音楽です。
これは、大傑作です。


Solo Concerts: Bremen & LusanneSolo Concerts: Bremen & Lusanne
(2000/02/29)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



3. The Koln Concert/ ケルン・コンサート(1975)
数あるキースのソロ・アルバムの中で、
最もポピュラーなものです。
かなり状態の悪いピアノのため、
"音色と表現の限界に拘束されながらの演奏を強いられた"
ということみたいですが、
キースの明晰なタッチによるイマジネイティブなフレイズが次から次へと現われ、
そして移りゆくのに心身を解放して、
ただただゆだねているのは、本当に気持ちのいい事この上ないものです。
このアルバムは結果として、
彼のロマンティシズムの一つのピークを記録したアルバムと言えるのではと思います。
これも、大傑作です。


The Koln ConcertThe Koln Concert
(1999/11/16)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



4. Staircase/ ステアケース(1976)
"素晴らしいグランド・ピアノ"を使用したこともあり、
音質の面においてもすぐれたアルバムです。
アルバムの制作事情から考えても、
事前の準備なしのまったくの即興演奏ということになるけど、
この演奏は素晴らしいと思うし、個人的にはとても評価しています。
「ケルン・コンサート」に比べると、ロマンティシズムが抑制されているので、
聴く人の好みによっては、この点で少々物足りないかもしれませんが、
より理知的な演奏で、すっきりしていて、"「ケルン」もいいけど、
もう少しコンパクトなものが欲しい"
という人には、ピッタリのアルバムだと思います。


StaircaseStaircase
(2000/05/09)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



5. Sun Bear Concert/ サンベア・コンサート(1976)
LPで10枚組(CDでは6枚組)、
通して聴くと7時間以上かかるという、異常なソロ・アルバムです。
買うほうも買うほうだけど、結構売れたらしいです。
今回はじっくり聴いてみて、いろんな意味で堪能しました。
ジャズはもちろんの事、クラシック
(バッハ、ドビュッシーからメシアン、シェーンベルクの無調音楽、
フィリップ・グラスやライヒのミニマル・ミュージックなどの現代音楽風まで)や
ゴスペル、ロック、フォークに至る、
ここにはピアニズムにおけるあらゆる可能性があるのではという気がします。
ただ、出来・不出来があるのも間違いのないところで、
キースが次の展開を探る間の長い単調なフレーズに付き合うのに、
いささか疲れることがあるのも確かです。
個人的な印象では、京都、大阪、札幌は全体的に気に入ったけど、
東京、名古屋はいまいちで、東京はアンコールが良くて、という感じです、
次に聴く時にはまた違った評価となるかもしれません。


サンベア・コンサートサンベア・コンサート
(1997/08/25)
キース・ジャレット

商品詳細を見る



6. Vienna Concert/ ウィーン・コンサート(1991)
非常に、瞑想的な音楽です。
・Part Ⅰ(約40分):瞑想的な音楽で開始され、20分を過ぎてから、
早いパッセージの展開となり、ふたたび祈りに回帰して消えるようなエンディングとなります。
・Part Ⅱ(約25分):始まりはキース特有の切迫し、疾走する感じのフレーズ、展開、
そして瞑想。このPart Ⅱは、感動的なとても好きな演奏です。
このアルバムを聴いていると、以前のアルバムのように、
ジャズからクラシック、ゴスペルまでのさまざまな音楽要素が、
万華鏡のように次から次へと現れるという形からは、
ずいぶんと違って来たなあという感慨を覚えずにはいられません。
それはキースのソロ演奏に対する指向の変化によるものなのだろうと思います。
これは、大傑作です。


Vienna ConcertVienna Concert
(1994/03/01)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



7. La Scala/ ラ・スカラ(1995)
ウィーン・コンサート同様、
オペラの殿堂でのライブ録音です。
ハイライトは、45分に及ぶPartⅠです。
静かに始まり、テーマの提示からクライマックスの感動まで、
徐々に盛り上げていく構成力は見事なものです。
PartⅡでは、現代音楽風の早い音のパッセージの動きが13分ほど続いた後、
優しく、かつ瞑想的な雰囲気に移行し、いくらかの展開を経て、
再度冒頭の部分に戻り曲が閉じられます。
PartⅠ同様、曲の構成に注意が払われている感じです。
全体的なアプローチは、
ウィーン・コンサートと共通するところが多いように感じます。


La ScalaLa Scala
(2000/01/25)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



8. The Melody At Night, With You/ メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー(1998)
病気で演奏活動をしばらく中断していて、
これは復帰後最初のソロ・アルバムで、
全10曲のスタンダード・ナンバーが収録されています。
いずれも子守唄のように愛情をこめて歌っています。
とくにこれということではなく、全曲いいと思います。
この傾向が一時的なものかどうか、
今後のソロ・アルバムに注目したいと思います。
傑作です。


The Melody At Night, With YouThe Melody At Night, With You
(1999/10/19)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



9. Radiance/ レディエンス(2005)
日本での演奏が収録されたアルバムです。
私は、実際にコンサートに足を運びました。
しかし、残念ながら、
キースの衰えに、
失望の念を覚えずにはおられませんでした。
(私は、現在のキース・ジャレットは余りにもダイナミズムに拘り過ぎている様に感じます。)
私はこのアルバムもあまり評価していません。


RadianceRadiance
(2005/05/03)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



10 Carnegie Hall Concert/ カーネギー・ホール・コンサート(2006)
このアルバムでも、Radianceの悪い流れを引き継ぎ、
私が期待している、キース・ジャレットの音楽ではありませんでした。
(無論、聴くべき個所は随所に出てきますが・・・)


Carnegie Hall ConcertCarnegie Hall Concert
(2006/09/26)
Keith Jarrett

商品詳細を見る



私は彼の作品の中で、一つ選ぶのであれば、
「Vienna Concert/ ウィーン・コンサート(1991)」を採ります。
次点に、
「Solo Concerts/ ソロ・コンサート(1973)」
「The Koln Concert/ ケルン・コンサート(1975)」
を挙げるといったところでしょうか。



今後、キース・ジャレットという音楽家は、
何処へ向かってゆくのでしょうか?
期待を込めて、聴き続けていきたいと思える、
数少ない音楽家の一人です。






スポンサーサイト

テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2011/03/18(金) 06:40:07|
  2. Jazz/Progre/Rock等
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<チェリビダッケ批評 15 ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調 | ホーム | マーラーについて 1>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://hiroceli.blog137.fc2.com/tb.php/108-bab32b8e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ヒロチェリ

Author:ヒロチェリ
FC2ブログへようこそ!
クラシック音楽を中心に、色々と書いています。

カテゴリ

クラシック音楽 (52)
チェリビダッケ批評 (25)
セルジュ・チェリビダッケ (12)
J.S.バッハ (4)
ベートーヴェン:交響曲 (0)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ (0)
ブルックナー:交響曲 (1)
マーラー:交響曲 (3)
クラシック音楽について (4)
Jazz/Progre/Rock等 (14)
Dream Theater (7)
日々の生活 (14)
お気に入りの歌詞 (3)
書籍 (4)
真理 (2)
映画 (4)
アメリカン・ニューシネマ (2)
IT(Information technology) (3)
21世紀の精神異常者 (4)
お薬をどうぞ (2)
Twitter (44)
未分類 (3)
絵画&写真 (0)
Studio album (0)
Sergiu Celibidache (2)
プログレ (0)

最近の記事+コメント

FC2カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
音楽
685位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
クラシック
54位
アクセスランキングを見る>>

全記事(数)表示

全タイトルを表示

ブロとも一覧


クマでもわかる物理学最新トピックス

〜TOMOHISA SUZUMURA’S CRITICAL SPACE/鈴村智久の批評空間〜

厳選!ダンス動画

【三日坊主日記】改め・・・『考え中』

Ragdollの主題による変奏曲

知好楽@瀬戸田

Violino~クラシックのある生活~

四季歩のつれづれ

カレンダー(月別)

03 ≪│2017/04│≫ 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

月別アーカイブ

最新トラックバック

音楽 ハイドン チェリビダッケ ヘロイン 映画

HDD 外付け ハイドン Haydn Bruckner Tchaikovsky Celibidache ブルックナー チェリビダッケ Record ルーマニア Sergiu ランボー ブレイク 翻訳 ドストエフスキー 堀口大學 小林秀雄 google  アメリカン・ニューシネマ スタンリー・キューブリック サム・ペキンパー シルヴィ・ギエム Sylvie Guillem エベレスト 世界一  チョモランマ Everest ネパール チベット Gould Bach Glenn グールド グレン・グールド バッハ ヱビス 黒ラベル チェコ プレミアム・モルツ エーデルピルス ビール サッポロ ピルスナー・ウルケル ベルティーニ マーラー ギーレン テンシュテット SonicStage オーディオプレイヤー iTune foobar2000 AudioGate ライブラリ 音質 イコライザ AIMP2 Web Browser Opera Iron ブラウザ ウェブブラウザ 仏教 Mahler Schubert シオラン アフォリズム Beethoven 交響曲 ムラヴィンスキー レニングラード・フィルハーモニー チャイコフスキー Dream ドリーム・シアター プログレ Theater ピアノ協奏曲 Blog ブログ ブクレコ Facebook ピアノ・ソナタ ベートーヴェン ミュンヘン・フィル トラックバックテーマ 掲示板 Amazon ムソルグスキー ラヴェル 光の帝国 マグリット Zeppelin レッド・ツェッペリン Led ジミー・ペイジ Radiohead ハルシオン ロヒプノール ベゲタミン パキシル トランキライザー デパス カート・コバーン 睡眠薬 ティモシー・リアリー キリスト 人体実験 ゲーテ 善悪の彼岸 白取春彦 ニーチェの言葉 超訳 道徳の系譜 ニーチェ ツァラストラ バレエ ベジャール シカゴ交響楽団 天才 文化会館 バレンボイム ギエム ボレロ バロウズ ヘロイン Heroin シュルレアリスム 上野 ベルギー アート 絵画 ブーレーズ 現代音楽 フーガ バロック ゲーベル フーガの技法 レオンハルト エマール クラシック音楽 管弦楽曲 EMI オーケストラ ロメオとジュリエット ソナタ形式 くるみ割り人形 Nutcracker 組曲 花のワルツ ニュルンベルクのマイスタージンガー 喜劇 悲劇 指輪 前奏曲 序曲 ワーグナー トリスタンとイゾルテ 白痴 悪霊 未成年 罪と罰 文学 ロシア カラマーゾフの兄弟 楽章 オーケストレーション ハ短調 クラシック ブラームス 地震 被災者 原発 津波 計画停電 東北関東大震災 東日本大震災 東電 福島 東京電力 クラリネット スケルツォ 根本敬 ザ・ワールド・イズ・マイン 新井英樹 田園 ロマン派 キース・ジャレット ヴァント シューベルト リヒテル ベルリオーズ スメタナ マイルス ビバップ エヴァンス ジャズ 大地の歌 ミュンヘン メンデルスゾーン シューマン モーツァルト 時間 偉大 奇跡 カタルシス 永遠 ソナタ バーンスタイン 悲愴 フランス 音楽 芸術 呪われた部分 メタル トッティ 長調 ピアニッシモ フォルテッシモ モダン・オーケストラ ピリオド・オーケストラ アレグロ マイルス・デイビス ピアノ ロック EMI 救済 スピード 覚醒剤 スレイヤー スラッシュ レイン・イン・ブラッド メガデス ヘビー・メタル アンスラックス メタリカ HR/HM フルート München 北ドイツ 真夜中のカーボーイ 

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSリンクの表示

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。