生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

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チェリビダッケ批評 17 ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調

チェリビダッケ批評 17 ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調
Beethoven Symphonies Nos. 4  5

ベートーヴェン:交響曲第4&5番
(2001/04/18)
チェリビダッケ(セルジュ)

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EMIから販売されている、チェリビダッケの演奏をレヴューします。
これは第17回目のレビューになります。

第17回目の曲目は、


"ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調"(1995年録音)
原題: Beethoven Symphony No.4 in B-Dur

ベートーヴェンの交響曲の中でも非常に存在感のある、
交響曲第3番「英雄」と交響曲第5番に挟まれた、
比較的目立たない作品です。
シューマンは「2人の北欧神話の巨人(3番と5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」
と例えたと伝えられています。

しかし、曲の内容は?
英雄や運命に勝るとも劣らない、
非常に堂々としたものです。

―演奏について―

第1楽章 Adagio 変ロ長調(実質は変ロ短調)4/4拍子
Allegro vivace 変ロ長調 2/2拍子 ソナタ形式


暗い雰囲気の緩やかなテンポの序奏部でこの曲は開始されます。
一般的には主部に入ると、テンポを上げるのですが、
(暗くて遅い序奏部と明るくて快活な主部とのコントラストをつけるため。)
チェリビダッケはこのゆったりしたテンポを維持します。
しかし、音楽は停滞した印象を与えません。
それはなぜか?
音楽の各声部に意味を与え、全て歌いきるためです。

晩年のチェリビダッケは、
物理的な時間軸で測ると、
確かに遅い音楽を演奏しています。

しかし、決して遅い音楽ではないのです。
それは前述した理由によります。

これにより、通常の時間軸を超越した演奏になり、
音楽は神秘的な色合いを強く帯びます。
(ときに神がかっている印象さえ持ちます。)

これは、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルだけが達成しえた独自の境地です。



第2楽章
Adagio 変ホ長調 3/4拍子 ソナタ形式

第一楽章、Allegroでは、
物理的な時間軸で測ると遅い音楽を奏でていますが、
第二楽章、Adagioの演奏時間は極端に遅いというものではありません。
なぜ、このようなテンポ設定になるのか?
この意味を理解しなければ、
チェリビダッケの音楽の本質は決して理解出来ません。
(断定的な言い方で申し訳ありません。
ただ私はそう確信しています。)


第3楽章
Allegro vivace、トリオ(中間部)はUn poco meno Allegro
変ロ長調 3/4拍子 複合三部形式 スケルツォ楽章


この楽章での白眉は、
トリオ(中間部)に入るところです。
穏やかな印象を与える音楽から転調し短調の音楽になります。
この部分の儚さ、幻想性は猛烈に美しいとしか言い様がありません。
なにか、絶対に手の届かないところへ、
懸命に手をのばしているような印象を受けます。


第4楽章
Allegro ma non troppo 変ロ長調 2/4拍子 ソナタ形式


非常に快活な音楽です。
これが齢83歳の音楽でしょうか?

チェリビダッケは音楽全体を見渡し、
曲が終わったときに、全ての意味が明らかになるという驚異的な音楽を目標としていました。
ここで、その理想は達成されています。

普通、ベートーヴェンの交響曲第4番という比較的小規模な音楽で人は感動するでしょうか?
おそらくしないでしょう。
しかし、これだけ凄い演奏を聴かされると、感動させられます、胸をうたれます。

これは、人間の意志の偉大さ、音楽の持つ力、それを十分に思い知らせてくれるような演奏です。







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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

  1. 2011/03/21(月) 21:35:43|
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