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生きること、死ぬこと、それ以上のなにか・・・

このブログでは、音楽、なかでもクラシック作曲家である「バッハ」を中心に取り上げます。 また演奏家、CDについての批評も行います。 ちなみに私は指揮者のセルジュ・チェリビダッケに深く傾倒しております。

ザ・ケルン・コンサート キースジャレット (The Koln Concert,Keith Jarrett)

ザ・ケルン・コンサートザ・ケルン・コンサート
(2010/09/22)
キース・ジャレット

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みなさんは、キース・ジャレットというピアニストをご存知ですか?
基本的に、ジャズ畑で演奏活動を行っています。

今日、紹介させて頂くのは、
キース・ジャレットの最高傑作との誉も高い、ザ・ケルン・コンサートです。
(このコンサートは、完全即興で行われました、Improvisationです。)


<このアルバムの歴史的位置付け>

キース・ジャレットの音楽は一般的にジャズに分類されています。
(19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカ南部の都市を中心に発展した音楽形式です。
アフリカ系アメリカ人の音楽形式と西洋音楽の技術と理論が融合して生まれたと言われています。)

ジャズの代表的なアーティスト


・マイルス・デイビス (1926 - 1991)
・ソニー・ロリンズ (1930 - )
・ジョン・コルトレーン (1926 - 1967)
・ビル・エバンス (1929 - 1980)


さらにそこから細分化され、ビバップというジャンルで括られています。
(ビバップ (bebop) とは、1940年代初期に成立したとされる、ジャズの一形態。
マンネリ化したジャズに飽きた、あるいは、
本来の即興演奏が好きな奏者が始めたジャンル)
ジャズの中でも、最も過激な音楽とされています。

ビバップの代表的なアーティスト

・チャーリー・パーカー (1920 - 1955)
・バド・パウエル (1924 - 1966)
・ケニー・クラーク (1914-1985)


では、キース・ジャレットはどのジャンルに属するのでしょうか?
ジャズの様々な影響や、クラシック(主にバッハ、モーツァルト)の影響もあります。
フュージョン?ハードバップ?



違います。


キース・ジャレットの音楽は、明らかに彼しか為し得ないという意味で、
ジャンルにカテゴライズされるのを許しません。
つまり、
キース・ジャレットのジャンルはキース・ジャレット

ということになります。
唯一無二の存在です。


しかし、ジャズ奏者は薬物の過剰摂取で亡くなられている方が、
尋常ではない位、多いですね。
死にはしなくても、ギリギリのところまで行ってしまった人のことも考えると、
その数は、想像もつきません。

皆さん、ヘロインが大好きな方々なので、
仕方ないといえば、仕方ない。
ただ、それだけのことです。


-------------------------------------------------------------------------
注釈:ヘロイン
ヘロイン阿片から作られます。阿片には様々な植物性アルカロイドが含まれています。
その中でも有名なものが、モルヒネコデインです。
そのモルヒネをさらに、化学加工して、
創り上げられたのが、ヘロインです。

ヘロインはダウナー系の薬の中で、
最強度の作用を誇ります。
ヘロインをキメると、そこは涅槃の世界、
圧倒的な快楽、何処までも沈んでゆく。
この世でこれ以上の快楽は存在しないそうです。

ありとあらゆる薬物の中で別格の存在です。

-------------------------------------------------------------------------

すいません、脱線しました。

・キース・ジャレット (1945 - )

話を、キース・ジャレットに戻します。
ジャズの歴史の中でも、彼はとりわけ過激に音楽を追求してきました。
この度、ご紹介させて頂く「ケルン・コンサート」は、
彼の音楽感が非常によくわかる、歴史的名盤です。

<ケルン・コンサートの内容>

完全即興です。
そしてこの音楽は比類のない高さにまで至っています。
そして最後に、比類のない高みから、
どん底に突き落とされます。
異常に恐ろしい体験です。
ただ、比類のない体験だと断言できます。


このアルバムは、

1.パートⅠ
2.パートⅡ
3.アンコール


という、構成になっています、実際のCDでは

1.パートⅠ
2.パートⅡa
3.パートⅡb
4.パートⅡc(アンコール)


このようにトラック分けされています。

パートⅠは明るい曲ですね、非情に聴いていて楽しい気持ちにさせてくれます。

パートⅡはパートⅠとうって変わって、

非常に重苦しい音楽になっています。
曼荼羅のような音形を、
ひたすら、弾き続け。弾き続け・・・
(断じて、ミニマム・ミュージックではない。)
やっと最後に開放されます。
しかし解放は一瞬で、
また今度は、
なにもないセカイに吹き飛ばされてしまいます。
そこで、奈落を見ます。


アンコールは清涼剤のような役目を果たしています。もの悲しい曲ですが。
このコンサートのアンコールとして相応しい曲だと、思います。


キース・ジャレットが好きなら、
ジャズが好きなら、
音楽が好きなら、


いや、より高い世界に憧憬をもっている人なら、

絶対に聴いておくべき1枚だと、
私は考えます。







Keith Jarrett -The Koln ConcertYouTubeで音楽の旅(7)息子が生まれた頃のことだから、かれこれ30年以上も前のことになる。我が家の近くの山寺を散策していて、滝の水の流れる音と共に聞こえてきたのがこの曲だった。一度聴いただけでその美しさにすっかり虜になってしまった私は、寺務所で曲の名を尋ねた。ザ・ケルン・コンサート(The Koln Concert)は、ジャズ・ピアニス
ザ・ケルン・コンサート キースジャレット

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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

  1. 2010/12/10(金) 02:46:20|
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